円高・円安について
為替の場合、「1ドル=100円」とは、1ドルに対する円の価値を表します。
では、1ドル=85円と100円では、どちらが円高(円安)になるのでしょうか。
この場合、1ドル=85円のぽうが円高で、1ドル=100円のほうが円安となります。
1ドルを得るのに100円必要だったものが、85円ですむようになったのですから、ドルに対して円の価値が上がった(円が高くなった)ことになります。
ドルから見れば、ドルの価値が下がった(ドルが安くなった=ドル安)ということになります。
貿易などの海外業者との取引では、そのときの為替レートが円高か円安かで収益が大きく異なります。
それゆえ、経営者や財務担当者は、その日の為替相場がどうなるかに大変神経を使います。
円高・円安の例
例えば、アメリカ市場で車を1台2万ドルで販売したとします。
そのときに、1ドル=83円だった場合、166万円の売り上げになりますが、1ドル=80円と円高だったら160万円の売り上げとなり、6万円ほど収益が減少することになります。
ですから、輸出企業にとっては円高よりも円安のほうが良いわけです。
ところが、海外から原材料を輸入する製造業では、円高のほうが良いわけです。
支払いはドルですから、ドルを調達するときに、1ドルを得るのに100円払うのと80円払うのとでは、20円の差額分だけ節約できるからです。
いわゆるコスト削減につながるわけです。
このように、貿易という同じビジネスをしていても、そのときに、円高か、円安かで企業の業績はまったく正反対の状態になるのです。
それが、為替相場の恐ろしいところだといっても過言ではないでしょう。